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定年後の賃下げは、許されないのか?(その1)

あの「長澤運輸」判決が、東京高裁で覆りました!

経営者の皆様を震撼させた、注目の「長澤運輸」判決の控訴審判決が出ましたね。

仕事内容は同じなのに定年後の再雇用で賃金を減らされたのは違法として、当該運送会社で働く契約社員のトラック運転手3人が、正社員と同じ賃金の支払いを求めた訴訟の控訴審です。もしこれが確定すれば、少なくとも運送業というか物流は成り立たなくなると驚愕したものです。

労働契約法20条は、正社員のように無期雇用と働く人と有期雇用で働く人の労働条件において、不合理な差をつけることを禁じています。

地裁は「賃金格差は不合理」として請求を全て認め、定年前と同水準の賃金適用と、差額分415万円の支払いを会社に命じました。

それに対して高裁は、「高年齢者雇用安定法で、企業に60歳以上の雇用が義務付けられる中、企業が賃金コスト増大を避けるために定年者の賃金を引き下げること自体は不合理とは言えない」としたのです。定年後も業務内容が変わってないことを認めたうえで、賃金の減額幅は会社の主張に沿って20~24%だったとし、その上で、退職金が支払われ、減額幅は同規模企業より小さいことから、労働契約法に違反したとは言えないとしたのです。

さあ、この判決内容を、どうとらえて御社の労務管理に生かせばいいのでしょうか?

次回以降、私見を述べてみたいと思います。