まさに目からうろこの内容でした。
日本経済停滞の元凶は、低い生産性と言われてきました。
私自身も、そうだと信じて疑いませんでしたが、実は全然違うことをご存じですか?
25年前の時間当たりの生産性を100とすると、なんと日本は30%向上しているそうです。
これは、アメリカの50%には及びませんが、ドイツの25%、フランスの20%向上よりなんと上回っているのです。
更に驚きなのは、日本の生産性より低い欧州では、生産性の伸びとほぼ同じ割合で実質賃金が上がっていることです。
日本は四半世紀にわたり賃金が横ばいなのと対照的です。
生産性が低いから儲からない、だから賃金は上げられない、とは嘘だったのです!
日本の大企業は、膨大なもうけをひたすら内部留保に充て、賃金を上げず、教育投資も最低限に抑えていました。
賃金が上がらないから個人消費が伸びない、モノが売れないから価格が上げられない、儲からないから賃金を上げられない、という負のスパイラルを繰り返してきたのです。
大企業の給与は上がっていると反論されると思いますが、定昇2%程度でベースアップはほぼありません。
今や人口の4割を占める非正規労働者は、最近こそ時給が上がっているものの、長い間あまり上がっていませんでした。
これでは、個人消費がもり上がらず、物価が上がるはずがありません。
最近、新入社員の初任給の上昇が話題となっていますが、あまりお金を使わないと言われていた彼らも、お金を使うようになっているようです。
やはり賃金が上がると、個人消費は伸びるのです。
あたり前ではありますが、あたり前が出来てこなかったのが我がニッポンです。
そろそろ「人的資本経営」について、真剣に考えないといけませんね。