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新型コロナウイルスと解雇・雇い止めを考える(その2)

リーマンショック以上の大不況に備えるべし!

皆様、こんにちは!

人事・採用コンサルタントの大隈です。

未曽有の新型コロナショックの長期化が、残念ながら避けられないようですね。

国も雇用を維持させるため、雇用調整助成金の条件緩和や緊急融資等の政策を出してきていますが、手続きが煩雑で利用が進んでいません。

緊急事態宣言が全国に受けて発令されて以来、飲食店をはじめ休業を余儀なくされる会社・店舗が多くなりました。

事業主側の責任により従業員を休業させた場合、一定以上の休業手当を支払わなければならないことを前回投稿しました。

ただ、事業主の義務である休業手当も支払われないまま従業員を自宅待機にさせている例も多く、これでは雇用調整助成金の利用以前の問題で、従業員を助けることが出来ません。

きちんと休業手当を払っている事業所も、先が見えない外出自粛から営業再開のめどが立たず、従業員の雇い止め・解雇を選択するケースも増えてきました。

その場合、非正規社員から雇い止めすることが多いですが…

経営者の中には、正社員でないパート・契約社員は、簡単に雇い止めが出来るといまだに思っている方がいますが、大きな間違いです。

今までも「日立メディコ事件」等、有期労働契約の雇い止めが有効かどうか争われてきました。

契約の更新回数が多いか

業務は臨時的か常用的か

通算雇用期間の長さ

更新手続きが厳密か、形式的か

雇用継続を期待させる使用者の言動

などの観点から「更新期待権」があるかどうかを判断し、当てはまる事項があれば、期待権ありとされます。

期待権ありとされた人は、次に雇い止めが合理的か否か判断されます。

いわゆる整理解雇の4要素による判断です。

新型コロナウイルスによる業績不振を理由とする雇い止めがあれば、これは整理解雇の一種に当たります。

①解雇の必要性があるか

②解雇回避の努力をしたか

③解雇の人選は妥当か

④労働組合などと十分協議したか

を満たしているかどうかです。

満たしていなければ、雇い止めは無効なのです。

いかがですか、なかなか大変ですね。

そもそも期間中の雇い止めは、労契法第17条により「やむを得ない事由がなければ無効」とされており、ほとんど認められません。

また、雇用調整助成金を利用していない場合、②の解雇回避義務を果たしたと認められない可能性が大きいと思います。

もし雇い止めが、やむを得ない場合であっても、上記の事項を頭に入れて慎重に検討して下さいね。