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今、年収の壁問題について考える。

正直、やっと俎上に上がったかという感じですが。

先の衆議院議員選挙で与党の自民党・公明党が惨敗し、過半数割れしました。

あまりにも長く政権に胡坐をかいて、統一教会問題や裏金問題も噴出したので、国民から愛想をつかされた感じです。

その中で、一気に4倍に議席を伸ばし、キャスティングボードを握ったのが国民民主党。

正直、中途半端な中道政党のイメージしかありませんでしたが、今回の同党の公約は、閉塞感に絶望した若者に刺さりましたね。

その一つが、「103万円の壁」の解消です。

確かに、学生アルバイトの方には切実な問題でしょう。

ただ、本当に問題な「年収の壁」は、106万円、130万円の「社会保険の壁」ではないでしょうか?

所得税には、103万円を超えても、配偶者特別控除などの緩和措置が取られていますが、社会保険にはありません。

まさにガクッと落ちるため、壁というより「崖」と言った方がいいかもしれません。

今年の10月から、従業員51人以上の企業に勤務するパート社員は、106万円の壁に直面しています。

パート社員は、この壁のために、年末にかけて働く時間を短くする防衛手段を取るでしょう。

せっかく最低賃金は上がっても、働き手不足解消には全く意味がありません。

なるほど、政府も手をこまねいているわけではなく、2023年10月に、

106万円の壁への対応として、キャリアアップ助成金のコース新設、社会保険適用促進手当の標準報酬算定除外を

130万円の壁への対応として、事業主の証明による被扶養者認定の円滑化

という手を打っていますが、負担を企業に丸投げの感が否めず、大企業はともかく中小零細企業は一体どれだけこんな煩雑な手続きをしているか疑問です。

その証拠に?厚労省は、「106万円の壁」要件の撤廃する方向で調整に入ったようです。

これはこれで、大きな問題をはらみますが、この問題については又の機会に(笑)

いづれにしても、来年にかけて、この問題については目が離せませんね。

 

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